最近、『ラーヤと龍の王国』という2021年3月に公開されたディズニーの映画をDVDでみた。
結論からいうと、むちゃくちゃ良かったです。
正直、『アナと雪の女王2』とか、『モアナと伝説の海』は、「へー楽しそうじゃん」みたいに、公開前から何処かしらで、番宣を見聞きして知っていた。
だけど、『ラーヤと龍の王国』は、まーーーーーったく知らなかった。
え?何で?ってぐらい知らなかった。「ラーヤ」ってワードもかすりもしなかった。あ、因みにラーヤって主人公の女の子の名前ね。
だけど、今回たまたまDVDを目にして、「え?ディズニーに最新作あったんや」って感じでたまたま借りた。はい、私、元々ディズニー好きなのです。
でも、正直あまり期待してなかった。
個人的に『モアナと伝説の海』が微妙だったから。
以下、モアナのレビュー記事↓
昔の私・・・むちゃくちゃ好き勝手言っております(;^ω^)
取りあえず、私にとってはモアナはいまいちだった訳です。だから、何となく雰囲気が似てそうな『ラーヤと龍の王国』も「また、モアナと同じような感じだろー」って高をくくっていたわけです。
まーそんな、軽いノリで見た『ラーヤと龍の王国』なのですが・・・
全部見た感想。
か、な、り、良かった。
いや、本当の本当によかった。
えっ・・・なんで、こんな名作、世間が注目してないの?なんで、世間がこんなにも静かなんだ?不思議!って思うぐらい良すぎた。
アナ雪であんなに大騒ぎしてたのに・・・嘘でしょ?って。
正直、私の中では、アナ雪2やモアナなんて、比じゃないレベルですよ。ストーリーが凄く作り込まれているのに無駄がない。不自然さがない。音楽、映像のクオリティーが半端ない。
何度もいいます。
本当によかったのですよ。
えっ・・・どうしたの?ディズニー?こんな奇跡の様な作品を作っちゃって、もう引退するの?
ってぐらい、ディズニー渾身の作品だと感じました。
「宝物のように、自分の手元に置いておきたい」って思った映画は初めてかもしれません。
この作品はものすごーく人の想いが込められている。痛いほど伝わってきた。気持ちが込められている。いや、ほんと、祈祷レベルの気の入れようを感じた。
それだけ、私の心にグワワーーンっとヒットしました。
いやー本当に繊細な内容をシンプルに美しく纏めている。脱帽です。
しかも、おそらく、宗教を信仰している人にも心に響くように作られている(特にキリスト教)。なのに、宗教臭くない。スピリチュアル世界と現実世界の要素の塩梅が秀逸。本当に久しぶりに、こんな素晴らしい作品に会えたわーという満足感でいっぱいです。
取りあえず、『ラーヤと龍の王国』の基本情報は、Wikipediaで確認ください↓
そして、ディズニー公式サイトはこちら↓
「とにかく、一回見て!お願い!」って感じです。平和の雲行きが怪しい今の時代だからこそ、心に響き、輝く作品だと思いました。
ですが、あえて苦言を呈するとしたら(何様って感じですが)、今流行り?のフェミニズム色が強めって点でしょうか。ちょっと不自然なほど、世界を動かす主要キャラが女性っていうのがね。モアナのレビュー記事でも書いていますが、カッコいい男キャラ何でだしてくれんの?って思う。
確かに『ラーヤと龍の王国』を視聴して、恋愛とか、イケメンキャラなしでも、素晴らしくて、エンタメとしても十分楽しめる作品ってできるんだなぁ・・・と、「素晴らしい作品には、恋愛、魅力的な男女は不可欠っしょ!」っていう過去の自分の考えを改めるきっかけになりました。ほんと。
だけどね、やっぱりカッコイイ男キャラもディズニーのきれいな映像で見たいなぁーって思う。
別に私が女性だからって話じゃなくて、男性でも男のカッコイイキャラがいた方がテンションって上がるもんじゃないのでしょうか?
少年漫画にでてくるような、「うわーこのキャラむっちゃカッコイイーわー」ってやつ。
別に恋愛とかなくてもいいからさ。そんな登場人物がでてきてもいいじゃんって思う。
何故、最近のディズニーは頑なに、男の魅力的なイケメンキャラを出さないんだ?
世界は男と女で成り立っているんだよ?
私がディズニーでみた最後のイケメンキャラは『ズートピア』のキツネのニック・ワイルドだよ?
まーね、もしかしたら『ラーヤと龍の王国』はイケメンキャラがでないからこそ、名作として成り立つ作品かもだけどさ。
そろそろ、男性イケメンキャラ全排除の流れを緩めてほしいな・・・なんて我儘なディズニー好き視聴者である私は思うわけですよ。
まぁ、『ラーヤと龍の王国』では女性のイケメンキャラは登場しましたがね・・・。
やっぱり、女性にはないイケメンパワーというものがあるのですよ(泣)
マッチョイズムからの脱却にディズニーが力を入れていたのは分かるけど、そろそろ、極端な立場から、中立的立場に微調整し始めてもいいんじゃないかと思います。ニック・ワイルドみたいに人間じゃなくてもいいからさ。
いや、まぁ『ラーヤと龍の王国』は確かにイケメン男性キャラがいなくても、恋愛なしでも完璧な作品として成り立っていたのですがね。そう感じるのはもしかしたら、私が女性だからかもしれませんし。だって、明らかに女性中心のストーリーなんですもの。そりゃあ、女性である私は、見ていて気持ちがいいし面白いにきまってます。男性の立場で視聴すると、正直どう感じるのかなって。少し気になります。是非、男性側から見た色々な意見も知りたいものです。
ふと、映画に恋愛要素が全くない場合のメリットってなんだろーって考えたのですが、ありました。それは、子どもと一緒に見る時の何とも言えない空気に耐えなくていい点です。
だって、時々ふいに出没する甘いムードのシーンって家族とみると、なんとも居心地の悪い空気が漂うものじゃないですか。それが皆無っていうのは、家族で見るには最適、かつ快適な映画だといえるのではないでしょうか。
・・・と、意外と苦言?が長くなってしまったのですが、何だかんだいいましたが、『ラーヤと龍の王国』自体は私の中では最高の傑作です。次回作に期待したい点って話ですね。イケメンがどーのこーのという話は。
でと、ここから少し個人的な『ラーヤと龍の王国』を観た感想を述べたいと思います(おそらくネタバレなし)
個人的な名シーンは、主人公の龍が、自由に空を駆け上がる映像と音楽、敵の女の子を龍が見つめるシーンとその表情、主人公の女の子の強い信念をもった凛とした勇ましい振る舞い・・・涙が出るぐらい心に響きました。いや実際涙でました。
例え、敵対する相手だとしても、育った環境が全く違っていたとしても、根底に流れる、憧れの存在に対する畏敬の念、大切な人への想いは同じものなのだと。自分の大切なものを守る為、大切だからこそ、保身に走ったり、安易に人を信じてはいけないこともある。
だけど、ミクロな単位ではなく、もっとマクロな単位で、自分の心を動かさなくちゃならない時がきっとある。
「一歩を踏み出して信じる勇気」
信じるのは怖い。とても勇気がいる。だけど、「信じる」ことなしでは乗り越えれない壁がある。
おそらく『ラーヤと龍の王国』は限りなく理想論に近い世界観だ。
こんな、上手く理想通りに最後に繋がる訳ないじゃないかって鼻で笑う人もいるかもしれない。
美しすぎる結末。
私だって、あまりにも苦笑いしたくなる様な理想通りの終わり方はそんなに好きではない方だと思う。
でも『ラーヤと龍の王国』はその理想通りが、最高にいい。
最高に救われる。最高に幸せな気分になれる。最高に希望を持てる。
是非、この見終わった後の何とも言えない、清々しい夢の世界にいく様な感覚を多くの人に味わってほしい。
暗くて救いのない世界、何も信じれない、信じたくなくて疑心暗鬼になっている人にこそ、ゆっくりじっくり見てほしい。
現実ではなかなか味わえれない感覚だからこそ、この作品は一つの救いとなり、指針となる可能性を秘めているのだと思う。
現実にはありえないようなことを、美しい理想を最大限にイメージしながら作品としてありえる世界に創りあげる。そういう行為が、理想に希望を持つきっかけの一つとなるのだと思う。理想の世界を秩序ある世界として作品として昇華させることは、理想をとりとめのない夢想ではなく、現実に近づけるための一歩となりうるのだと。
『ラーヤと龍の王国』を見て、まだまだ人間には美しい未来を想像する力がこんなにもある・・・と嬉しい大きな希望も見た気がしたのでした。
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