悩みすぎな私の子育てライフ

ある主婦の生存軌跡を残すメモ

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芸術は評価されるために生み出すものではない。

前回の記事を書いていて、ポッと閃いた。

 

前回の記事↓

 

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あー私たちが名作と呼んでいる芸術作品は、その人の人生という芸術作品を鑑賞できるからこそ、名作だったんだ。

 

その名作が単体で素晴らしいのではなかった。

 

その名作を通してその人の人生という芸術作品をみて何かを感じとっていたんだ。

 

「銀河鉄道の夜」を通して「宮沢賢治」という人生、「モナ・リザ」を通して、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」の人生を鑑賞していたんだ。

 

ヘンリー・ダーガーが生きている間に日の目を見なかった彼の作品を通して、ヘンリー・ダーガーの人生を鑑賞していたんだ。彼の人生に思いを馳せていたんだ。

 

だからきっと、ラッセルの『幸福論』で、「芸術家は幸せになれることが少ない」なんて表現がなされてた。

 

真の芸術が生まれる…完成するのは、大体その芸術家が死んだ時だから。

 

芸術家が亡くなったあと、その人の芸術が評価されるのは多分そういうこと。

 

私たちはその人の特異的な人生を映し出す鏡のような芸術に興味があるんだ。

 

ヘンリー・ダーガーの作品が価値があると世間が思うようになったのは、「ヘンリー・ダーガーの特異的な人生」という作品が彼が亡くなった時に完成したからだ。

 

だから、真の芸術家は、自分の人生ごと芸術作品にするってことだ。

 

前回の記事の比喩でいうと、人生という名のモザイクアートのメインの部分が、世間でいう名作でできているんだ。 

 

人生作品の画竜点睛を成す部分が、その人の「名作」と呼ばれるものなのだろう。

 

だから名作は実は、人生のモザイクアートのほんの一部に過ぎない。

 

名作を名作たらしめるのは、名作の後ろに流れる大きな何かだ。その何かが芸術の真髄の正体だ。

 

決して、名作単体で輝きを放っているのではない。

 

鑑賞する私達は彼らの人生そのものに価値を見出しているのだろう。

 

だから、芸術家はなかなか一般的な幸せを得られる事が少ない…と思われるのだろう。

 

名声や、彼らの生み出す芸術の高い評価、お金が彼らが生きているうちに得られることは稀だから。

 

何故なら、彼らはそういうものとは別次元の場所で芸術を生み出しているから。

 

そういう感じのことをラッセルはいいたかったのかな。彼らと「一般的な幸せ」は相性が悪いって。

 

でもね、芸術家はきっと、自分の納得する作品を生み出すことが、何よりも幸せだから。

 

生み出している最中が何よりも充実しているから。

 

だから、一般的な幸せはなくったって…多分、周りが思っているよりずっと幸せなんだよ。

 

ふと、哲学者のショーペンハウアーのある考えを思い出した。

 

彼は、「盲目的な生の意志」から一時的に逃れる方法は「芸術に浸ること」だと考えた。

 

彼は、「『存在したい』という『盲目的な生への意識』によって争いの苦しみだけが永遠に生み出される」というペシニズム(厭世主義)を唱えた人物だ。

 

私は彼の唱える「ペシニズム」は少し悲観的すぎる気がしないでもない。だけど、何となく彼がいう「芸術の人生の救済としての役割」という見解はわかる気がする。

 

芸術に熱中している人を見て、「いつまでも評価されない(自称)芸術作品をずーっと作り続けてて、可哀想…」なんて周りの人間は半分バカにしながら思うのかもしれない。

 

だけど、彼らは芸術を生み出すことによって彼ら自身が実は救われているんだ。

 

いや、言い方を変えると、自分の苦しい人生を芸術を生み出すことによって、何とか生き続けれている場合もあるのかもしれない。

 

だから、別に芸術は芸術家だけが必要としているんじゃない。芸術家だけに開放されているんじゃない。芸術家じゃなくったって、芸術を自由に求めていい。

 

誰かに評価されることが、芸術を生み出す動機なんかじゃない。

 

芸術を生み出すのはその人にとって自然の摂理だ。その人のその人なりのバランスを保つ為に、芸術を生み出すんだ。

 

「芸術を生み出す意義は誰かに評価されるためなんかじゃ決してない」

 

このことをしっかり頭に刻んでおこう。

 

評価されなくったって、周知されなくったって、芸術を生み出すことは無意味な事なんかじゃない。

 

芸術は、自分の中からどうしようもなくあふれ出たものが核にあるべきなんだ。

 

寧ろ、評価されるのが動機で生み出された芸術作品なんて形骸だ。

 

 

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