いつか美味しいものが美味しく感じなくなったら?
どんな魅力的な異性にもときめかなくなったら?
自分が動きたいように身体が動かなくなったら?
人間は、歳をとるにつれ、色々な機能を失っていく。
そう、色々なものが、錆び付いてギシギシいいだす。
今まで感じれていた幸せを得る手段がどんどん錆び付いていく。
時の流れと共に、自然に奪われていく。
自然が奪っていく。
だけど、精神だけは、誰にも奪われない。
一生の自分の相棒だ。
精神だけは・・・自分の唯一無二のこの精神だけは、死ぬ瞬間まで ずーっと私のそばにいる。
決して離れない。
最後の幸福の砦は精神だ。
本当に尊いものは、 外部からなかなか失われないように出来ている。
美貌や肩書きや装飾品や財産や名誉なんかは、 なんて脆いことだろう。
なんてあっという間に「幸福」 にとって役に立たなくなるんだろう。
精神こそが、もっとも貴重な要だ。天から与えられた最高のプレゼントだ。
他のさまざまなものが、時の流れと共に私を見放しても、精神だけは、最後までついてきてくれる。
素晴らしき精神さえあれば、いつまでも幸福でいられる。私は生きれる。
さらに素晴らしき精神で、何かを創造できるのなら、 死ぬ直前まで、何かを生み出せる。例え肉体が私を苦しめたとしても。
そして、命を長くできる。
自分の肉体の代わりにその創作物が世界に反応し続けてくれるかもしれない。
本当の意味で長生きできる人っていうのは、肉体が丈夫な人じゃない。強靭な精神を築いた人だ。
だから、精神の質を早いうちからコツコツと積み上げていくべきだ。
誰にも奪われることのない、入ることのできない、立派な頑丈な自分だけの城の構築を早い時期から着手すべきなんだ。
精神こそ、幸福・・・「生きる意志」の最後の砦となるのだから。
〜ショーペンハウアーの『幸福論』を読んで〜
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