私だけの博物館
私の中の私だけの博物館
一人だけの貸切り博物館
迷宮のような博物館
展示してるものは、物じゃないけど宝物
宝物が物でなきゃいけない決まりなんてどこにもない
そして、私が宝物と思えばそれは宝物
顔も見えない通りがかりの沢山の影がプレゼントしてくれた
私はそれをせっせと集めてきた
一人で人知れず
そんなの、もちろん影さんは知るはずない
知るはずないけど、そんなのどうだっていい
顔はお互い見えないけど親友なんだ
だって、こんなにピカピカの宝物をくれるんだもの
大切な大切な親友なんだ
時空を超えた密かな熱く輝く絆
雨上がりの蜘蛛の巣のように美しき絆たち
人知れず、私はこっそり、時々この博物館に入り浸る
夕日がガラス張りの博物館の中を照らす
ガラスの向こうは見渡す限り水平線
私はうっとり宝物をつまんで眺める
最高のひととき
だれも入れないよ、この博物館は
*****
今回は詩と絵のセットです。
私は結構、名著を読むのが好きなのですが、そのなかで、時々すごく素敵な言葉に出会えたりします。また、その時、今は亡きその著者が生々しく私のすぐ近くにいるような不思議な感覚にもなります。そして、その人の心の叫びを感じると、その人の心を「大好き」ってぎゅっと抱きしめたくなります。そんなときは、命って本当に肉体だけじゃないんだなあ…と確かに感じます。この世界は不思議でいっぱいです。目には見えない何かが、確実にこの世界を創造しています。命は魔法みたいに一瞬でこの世界から消え去るのではなく、肉体が滅んでも、だらだらとこの世界にしぶとく這いずり回って、自分をばらまきながらこの世界に少しずつ溶け込んでいくのかな、と。埋められた死骸が土に分解されていくように、精神も違う形となって、生きていくのかな、と。
私の肉体が滅んだ時、すごく大きい精神の塊の屍になって、沢山の人たちの糧になれたら、どんなにいいだろう…なんて、夢想家の私は考えてしまっているわけです。
ま、それが私の創作活動の動機の源だったりするわけですが。
私も、私が今まで名著を読んで何かが救われたように、誰かを少しでも救えたら本当に素敵だなあって思います。今世界が灰色に感じている人に、ちょっとでも色を与えることができたら、世界って美しいなあって少しでも感じれるような、そんなものをいつか生み出せたら本当に最高だなあと思います。
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