どんな楽しい事だっていつかは終わりが来る。
どんなに美味しい食べ物だって、喉元を過ぎれば終わるし、いつかは飽きが来る。
どんなに、楽しくてワクワクした漫画だって、何回も読んだらいつかは飽きる。
どんなに、アイドルに夢中になっても、その夢中はいつか夢幻のようになる。
恋愛中なんて1番分かりやすい。
どんなに、燃え上がる恋でも、いつかは鎮火する。
熱ければ熱くなることほど、冷めるのもはやい気がする。
悲しいようだけど、それが現実。
ずーっと、同じ熱を保ったまま永続するなんて不可能なんだ。
その熱を形あるものにしようとする試みが芸術を創ることの動機だとも思う。
鉄は熱いうちに打て。
実は芸術の質の優劣は、いかに鉄が柔らかいうちに、時間制限内に、目指していた形にできるかどうかにかかっている気がする。
時間が経つと、何もかも過ぎ去ってしまうから。
経験した本人さえ、経験した情熱を忘れ去っていくから。
私たちは悲しいことに、大体「今」の価値を見誤る。そして「今」いる場所を正確に把握できない。
今当たり前に持っているものの価値に気づけない。
でもそれは、当たり前だとも思う。
まだ「人生」を描く点の連続は、途中なのだから。きっと、全体像の完成に近づいた時、やっとあの時の「今」の価値や位置に気付ける。
人生の終わりになって、やっと昔の「今」があんなにも豊潤だったと気付くんだろうな。
まぁ、豊潤だからこそ、生じる苦悩もあるのだけれども。
それでも、それも含めての贅沢にもっていることの「美しさ」には通り過ぎないと・・・失ってからでないと気付けない。
そして生命が燃え尽きるまで、そんな「今」は続いていく。
「今」「今」・・・今が大事な事を胸に刻みたい。
今いる場所は「今」の連続の結果なのだから。
だから、今をかけがえのない瞬間だと思って生きたい。
今普通に燃えている炎は、気づいた時にはもう火をともすことの出来ない蝋燭になっているかもしれないのだから。