悩みすぎな私の子育てライフ

ある主婦の生存軌跡を残すメモ

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なんかすごい夢をみたから書いてみる

最近、なんかすごい夢をみた。

夢はすぐに忘れてしまうから、覚えているうちに、出来るだけ忠実に書いてみることを今回初めて試みた。

断っておきますが、ちょー長いです。・・・がオチはあります。


***

私は隣の県の兵庫県のどこかで義理のお父さんと待ち合わせをしている。確か、どこかにみんなで観光しに行くんだっけ。

途中まで、お母さんに車で待ち合わせ場所まで送ってもらった。

「もう、ここまででいいよ。あとは、何とかするよ。」

「本当に大丈夫?」

「うん、何かあったらスマホもあるし、充電器もあるから」

「分かった。じゃあね〜。」

そうお母さんは軽く言うと、私を高速道路の端に下ろして。帰っていった。

清々しい天気だ。青々とした空にモクモクとした入道雲が見える。

私は歩きスマホをしながら、遠く長くのびる、のどかな高速道路の端をトボトボあるく。

一人かと思いきりゃ、高速道路の端には意外と人が歩いていた。

まるで、少しはやっている登山道ぐらいには人があるいている。みんな、私みたいに大きいリュックを背負って、つばのある帽子をかぶっている。

歩いているうちに、若干ギャルっぽい女の子と仲良くなった。

次の瞬間、ワンボックスカーの中にその女の子と、隣同士で座っていた。高速道路を走っている。

他にも6人ぐらいバックパッカーみたいな大学生ぐらいの女の人が同じ車内にいる。全員女性だ。

助手席と運転席に座っている女の人はショートカットで、いかにも「人生の先輩」みたいな雰囲気を醸し出しているアラフォーぐらいのオシャレかっこいい女性だ。

2人はNPO法人の人?みたいな雰囲気だ。なんとなくまとめ役みたいな存在感をはなっているが、気さくな感じ。

この車の中は何だかとても居心地がいい。特にみんなと親密に話したりはしないけれど、みんな仲間。そんな和やかな雰囲気。

この車に乗っているみんなは、それぞれ何処かに行かないといけない私の様な立場なのだろう。それだけがここにいるメンバーの共通点だ。

みんなそれぞれ、私みたいに目的地があってそこに向かっているのだろうが、詳細は不明だ。

私は車の中で隣のギャルっぽい女の子と、とりとめのないお話しをしたり、手元のスマホをいじったり、景色を眺めたりした。

スマホをいじっているうちに、ふと思い出した。

そうだ、私には夫がいて子供がいる。頭の片隅でぼんやりと思い出す。

そうだ、私は兵庫の何処かで義理のお父さんに迎えにきてもらって、そこからまた何処かに向かわないといけないんだ。

多分そこには、私の夫と子ども達がいて…。彼らのことはあまりにもぼやけていてよく見えない。

そうだ、私は早く兵庫の待ち合わせ場所に行って、義理のお父さんに迎えに来てもらわないといけない。そして、私の夫や子ども達と落ち合わないと。

私はその待ち合わせ場所に行かないといけない。その為に私はお父さんに私が今いる場所を知らせないといけないんだった。

私は自分の状況を思い出して少し焦った。

だけど、スマホで地図を開いて現在地を調べようとしても、どうしても、今いる場所の住所がわからない。

地図上に私の現在いる場所の点はピコピコなっているのだけれど、その場所をどうやってお父さんに伝えたらいいか分からない。

何度も何度も今いる場所を調べるけれど、どうしてもわからない。

私は今の現在地をお父さんにLINEで知らせて、待ち合わせ場所を決めて車で迎えにきて貰わないといけないのに。

焦ってイライラと地図を色々とタップするがどうしても、欲しい情報にたどり着けない。

そうこうしているうちに、もうやーめた!兵庫県に入ってから連絡したらいいや!ってなった。

まだ、私は兵庫県に行っている途中なのだから。

兵庫県に入ったら、考えたらいいや、・・・そう気楽に思うことにした。

それに、仲間達と一緒に同じ空間にいると、そんな事よりも、彼らと旅をしているのが楽しい。

彼らは私のことを気にかけてくれる。私をメンバーとして、迎え入れてくれる。

彼らは私に深入りしないし、私も彼らに深入りしない。私たちはただ、「何処かに行こうとしているもの同士」ってだけのつながり。

それだけで仲間だ。それだけなのが、妙に居心地がいい。

私たちは必要最低限しか話さないが、和やかな雰囲気で昼の高速道路のゆったりとした道を青空の下、静かにどこまでも突き進んでいった。



ビュンビュンと通り過ぎる単調な景色を窓越しでぼんやりと眺めながら、ふとスマホに目をやると、LINEで義理の父からメッセージが届いていた。

「警察に捜索依頼を頼みました」

という簡素なメッセージが目に飛び込んできた。
私はギョッとした。

隣に座ってるギャルっぽい子に

「なんか、警察に連絡したらしい」

と・・・ぼそりと言った。

「えーなんか、大変なことになってるじゃん」

「なんかねー、少し心配しすぎな人なんだよね。ちょっと神経質すぎるところがある。でも、こんなことまでしちゃうなんて・・・どうするんだろう」

私は自分でも驚くほど何処か他人事だ。

暫くドライブした後、高速道路をおりて、人気のない夜の薄暗い下道をみんなで歩いていた。

夜の田舎の道路には、怪しげな光を放つ大きな建物がポツリポツリとある。

ゲームセンター?ホテル?今は使われていない建物?

そんなよく分からない建物の影と光。

そんな昼には見れない姿の夜の街を、私たち女性バックパッカー集団は、まるで小学生の遠足の様に、ぞろぞろと「こっちでもない、あっちでもない」とおろおろと歩き回る。

田舎の夜の道路は本当に人気がなく、「世界で私たちしかいないのではないか」っていう気がしてくる。それに何だか、夜の街は歩いていると冒険心が湧き出てきて、ワクワクしてくる。

きっと1人ぽっちなら怖いだろうが、このバックパッカー集団となら夜の街なんて全くこわくなんか無い。寧ろ、とてもこの空間は居心地がいい。

みんなで行く夜のピクニックはなんて楽しいんだろう。

どのぐらい、夜の街を私たちは彷徨ったのだろうか。

そうこうしているうちに、私はハッと思いついた。そうだ、自分の現在地じゃなくて、近くの建物の住所をLINEでお父さんに伝えたらいいんだ。

私はメンバーに言った。

「本当にそろそろ、私は待ち合わせ場所に行かなくちゃ」

メンバーは温かい目で私を見た。

「そっか」

次の瞬間、向こうの暗闇から見覚えのある顔が遠くに見えた。お父さんだ。お父さんが、私の方へゆっくりと歩いてくる。

「あれ、あなたのお父さんじゃない?」

「あ!本当だ、もう行かないと!」

「そっか、じゃあねっ。」

「じゃあ!」

みんなが温かい顔で、軽く別れの言葉を言った。そうだ、私達は、ただ待ち合わせ場所に行くまでの間の、束の間の同行者というだけだった。

軽く「じゃっ!」って別れる以外何もない。引き止めるものは何もない。

深い関係もない。相手の事も何一つ知らない。

ただ、少しの間、一緒に行動を共にしただけ。

だけど、その間のなんとも言えないゆるいチームワークはぬるま湯に浸かっているみたいに、とても居心地がよかった。

さようなら!みんな。私は私の世界にもどるよ。

私は遠くに見えるお父さんの元に小走りで近づいていった。少しだけ気まずい気持ちと一緒に。

近づくにつれ、お父さんの顔が想像していたより、ずっと深刻で、怖い表情なのに気づいた。

私は少し怖気付いた。

そして、お父さんに会うと、決まり悪そうに、こう言った。

「本当にごめんなさい。少し、彼らと一緒にいたら、こんなに遅くなってしまって」

次の瞬間、お父さんの顔は一気に泣きそうな表情になって、こう言い放った。

「少し?・・・君がそんな事をいつまでも言っているから、2年もたってしまった」  

「え?」

言葉を失った。

彼らと一緒に「まぁ・・・いっか!」と現実から目を逸らし続けて過ごしているうちに、お父さんと落ち合うのに2年もかかってしまった。

私は途方にくれた。私の母に高速道路におろしてもらった時は確か・・・大学の夏休みだった。

私は後ろを振り返った。さっきまで一緒にいた彼らが遠くからこちらを暗闇の中、無表情で見ている。

なんだか、私はさっきまで一緒にいた彼らが、怪しい宗教サークルの集まりの様に見えた。

あれから2年もたっているとしたら、一体今の私の状況はどうなってしまっているのだろう。

大学は?家族は?

私は今自分が何処に立っているのか分からなくなってしまった。

怒りと悲しみと絶望を帯びた表情の義理の父を前に、夜の街の何処かわからない場所で呆然と立ち尽くした。

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