あー感動したい
沢山感動したい
だけど、すぐ、あきちゃうんだよな
階段の上り下りが昔はあんなに楽しかったのにとっくに飽きちゃった
エスカレーターもあんなに楽しかったのにさ
砂場遊びも飽きちゃったし、
ブランコも気づいたら飽きていた
大好きな本も、漫画も、音楽も、映画も、ゲームも、ジェットコースターも、おやつも
最初に出会った時はあんなに感動したはずなのに
頭が痺れて震えるほどに
体のすみずみの細胞が高揚するほどに
感動したはずなのにさ
飽きちゃうんだ
どうしても飽きちゃうんだ
あの時の感動をどうしてももう思い出せない
私たちはどうしても、同じことでずっと感動できないらしい
いつか必ず飽きちゃうんだ
だから、違う感動に向かって走るしかない
そうやってより高い高い場所に登っていけるはずなんだ
だって、いつまでも階段の上り下りに感動してたら、どこにも行けないじゃないか
赤ちゃんは赤ちゃんでいることに感動し、そして飽きて幼児になり
幼児は幼児でいることに感動し、そして飽きて小学生になり、小学生は、小学生で…っていうことの繰り返し
そうやって色々な「感動」「飽き」を経て大人になる
そうやって成長していく
でも、そうやって大人になっても、やっぱり感動を求め、やっぱり飽きて…いつまでも彷徨いながら成長していくんだ
だけどさ…私たちの肉体はどこまでも成長していくことを許してくれないみたい
永遠に感動できる肉体を私たちはもっていない
あーだから、全てをリセットするしかないんだね
永遠に感動し続けるために
神様は死を準備してくれてる
私たちが感動し続けるための死を
そして、また、まっさらの0になった私で感動がいっぱい待っている世界に羽ばたいていけるんだね
永遠の感動に向かって
力強く
羽ばたけるんだね
だから、笑顔で
「感動よ、さようなら」
って言える気がするよ
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