純粋で綺麗なものは、滅びやすい。
それは、極端だから。
綺麗すぎる存在は稀だ。
純粋で・・・純白で・・・澄んでる・・・そんな美しさは、容易に失われる。
純粋な子どもはいつまでも、そのままでは大人になれない。
純白なドレスで踊れる場所は極端に限られている。
澄んでいる水は一滴の泥水ですぐに濁る。
綺麗すぎるものは、そのまま保ち続けるのが困難だ。
困難だからこそ・・・その困難さ故に美しいのかもしれない。
美しいものは、だからきっと儚いんだろう。
存在し続けることに何よりもこだわるのなら、・・・稀有な美しさを手放さすことは不可避なのだろう。
どうしても高貴な美しさを手放したくないのなら、困難の中を進んでいくしかない。
たしかに、すべて高貴なものは稀であるとともに困難である。
私はこの、スピノザの大作『エチカ』の最後を飾った文章が、無性に愛おしいのです。
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