自分が感じているどうしようもできない世界を表現したい。
でもできない。
誰かと共感したい。
共有したい。
この感情を。
でもできない。
音楽にできたら、なんて素敵なんだろう。
でもできない。
絵にできたらいいのに。
でもできない。
どうやったら、この生命の慟哭を共有できる?
私の生きた証、今の私のこの奇跡のような…あっという間に消え去っていく感情をどうやったら残せる?
分からない。
字で表せたらいいのに。
でもできない。
しかも、それだけじゃあ、到底届かない。
絵と音楽と字と空間を
全部駆使して表せたらいいのに。
でも、時間もエネルギーも能力も私にはない。
日常生活に大部分は流れていくんだよ。
しかも、例え残っていても悲しくそれらは漏洩していくだけ。
だってどうしようもないんだもの。
不器用なんだもの。怠惰なんだもの。
「私は普通の人間だった」
…なんだか笑えるよね。
このあまりにも当たり前すぎる事実を受け入れるには、虚しくて。それが滑稽で。辛くて…
辛い?辛いフリ?
辛い事にした方が希望があるでしょ。
だから辛い事にしておくよ。
それが、普通の人間の私ができる唯一の無駄なあがきだから。